令和2年度・広島公立入試問題分析・1日目2時間目~社会の巻

令和2年度・広島公立入試問題分析・1日目2時間目~社会の巻

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今日の記事は、2020年度広島県公立入試・社会の簡単な分析をアップします。興味のある方はぜひ。

分野・配点と簡単な所見

大問別の分野・配点は以下の通りです。

大問1:地理(12点)

「農業」をテーマに、日本と世界の茶の生産地と生産量のグラフをもとにして問題が展開されます。
グラフが2つ、表が3つ、地図が3つ登場し、資料をきちんと読めるかどうかが一つカギを握ります。

大問2:歴史(14点)

「税と政治」というテーマを柱に、5つのメモで各時代の知識問題が並びます。
一部グラフを読み取って答える問題がありますが、基本的には各時代の一問一答形式に近いものです。

大問3:公民(12点)

「裁判」をテーマに問題が進みます。
覚えた知識を答える問題と、資料を読んで説明する問題が半分ずつくらい。バランス取れています。

大問4:総合問題(12点)

「地方活性化の具体案」をテーマに、地理・歴史・公民とすべての分野が詰まった総合問題です。
最後の説明問題に6点が割り振られていて、全体の1割の配点をもっていっているのが特徴です。

記述問題はやや減少傾向

一時期の「記述問題大偏重」時代は過ぎて、記号や用語問題が少し増加傾向。
記述も、その場で考えてというよりは、どちらかといえば覚えたことを少しひねって書くというイメージです。
昨年よりも少しだけ解きやすくなっている感じがします。数点平均点は増加しそうです。

ただし、解きやすくなったとはいえ、「暗記すればなんでも解けるぜ!」というようなものではなく、一筋縄ではいきません。
ここ数年の入試問題により、『広島県は記述が多い』という認識は多くの生徒・保護者の方に浸透して、「社会は暗記でしょ」という固定観念は、以前に比べて薄まったと思います。これについては、よい傾向かな、と思います。
しかしながら、今度は「社会は記述ばっかりだから用語の暗記は必要ない」という風に言い始める生徒が増えてきたのも事実。それもまた「NO!」ですよ。

「暗記だけできれば社会はOK!」もちがうし、「暗記なんてしなくても社会はOK!」もちがう。
入試勉強はバランス。「暗記して、それを問題で出せるようになったら社会はOK!」が、私は正解だと思っています。

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来年度以降に向けての勉強

上を見てお分かりかもしれませんが、社会は中1・中2範囲がかなり出題されます(全体の6~7割)。
定期試験勉強をうまく利用して、各単元の勉強を一つ一つていねいに身につけましょう。

一度授業・学習した範囲は、学校でもう一度復習することはほぼありません。
塾に通っている人は、夏休みや冬休みに復習をする機会がありますが、一期一会の精神で、出会った知識はその「一発」で吸収するような意気込みで。
復習するときに「やったっけ?」と思うよりも「やったような気がする」という気持ちになるだけで、頭に残る率が半端なく上がって、より復習が効率的になりますよ。

学校で使っている教科書や資料集をよく読んで、書いてある文や図を見て、「なんで?」を積み重ね、メモするようにしましょう。
実際、今年の問題には
「なぜケニアは茶の生産量が多いのに消費量が少ないの?」「なぜ防人が九州に置かれたの?」「なぜ消費税を導入したの?」
のような問題が出題されています。

選択問題には、「すべて選ぶ」問題がいくつかあります。あいまいな知識による「消去法」が利用できない問題も多々あります。
暗記もバカにせず、ていねいにやりましょう。

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