広島公立高校入試の合格と不合格を分けてしまったもの

広島公立高校入試の合格と不合格を分けてしまったもの

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合否を左右したものは結局

昔書いた記事の再掲です。

ある年の入試結果の話。
私が担当していた生徒の多くは、きっちり合格を手に入れることができましたが、2名ほど、残念ながら合格にはたどり着きませんでした。

私が勤めていた学習塾にはこの年、21人の中3生がいました。
その21人について、それぞれ志望校があって、志望校には、私たちの内々で共有している内申点と偏差値の目安がありました。

生徒たちはそれぞれ
①内申点、偏差値とも目安を超えている生徒
②内申点は目安を超えているが、偏差値は目安を超えていない生徒
③偏差値は目安を超えているが、内申点は目安を超えていない生徒
④内申点、偏差値とも目安を超えていない生徒
の4パターンに分かれていました。

うちの生徒たちは、半数が①のパターン、もう半数が②、③のパターンのどちらか、2名だけ、④のパターンに当てはまっていました。
じゃあ、不合格だったのはこの2名だったかと言えば、実はそうではなかった。今回不合格になったのは、④の生徒1名と、③の生徒1名だったのです。

このとき勤めていた塾では、目安として設定する「内申点」は、3年生の前期までの成績で算出していました。
選抜Ⅱの内申点は、3年後期も含まれていますが、ぎりぎりまでわからないので前期までの内申点で最終内申点を推測します。

一方、「偏差値」については、うちで使っている模試の1月の偏差値を使いました。これは、全体で受験できる模試が1月で終わることが挙げられます。2月は私立の入試が入るので。

③の位置にいて、残念な結果に終わってしまった生徒。
1月の定期試験の対策から目の色を変えて勉強しはじめました。開室しているときはもれなく勉強に来て、演習して解説を読み、また演習してをくり返しました。
それに合わせて、私も2月の授業はバンバン組みました(この塾は個別指導だったので)。チャレンジしていることは私も保護者の方も本人も重々承知でしたから。
その結果、実戦形式の演習でもなかなかの好成績を得られるようになりました。実力で行けば、内申点を十分カバーできるだけのものを備えたはずでした。

でも、ダメだった。

本人相当ショックだったでしょうが、「これだけやってダメならしかたがないよね」といってニコニコしていました。保護者の方も、「3年後期の成績は結構上がっていたのですが、残念でした。」と、清々しい表情をされていました。
(これはこれで良かったことだろうと思いますが、不合格だったという現実からは私は逃れられないですね。)

一方で、②の位置にいた生徒の中に、同じ高校を狙っていた生徒がいます。この生徒の場合は、内申点は目安を十分超えていましたが、偏差値がだいぶ足りませんでした。
もちろん直前までじっくりじっくり粘っていました。最終的には、偏差値の目安にギリギリ届かないくらいまでいきました。つまり、偏差値のマイナスは内申点でカバーできるくらいに。最後、この子は合格しました。

何が原因だったのか。
私が考えている答えの一つが、内申点が目安に届いていない事実です。
「内申点のマイナスは実力でカバーする」という考え方は、とくに学習塾では比較的オーソドックスなものです。内申点は爆発的に上げることは不可能ですが、入試に対する実力ならそれは可能です。

とはいえ、今まで上がらなかったものがそう簡単に上がるのかという疑念が起きるのも事実。ましてや、伸びのわかりやすい模試があるわけではありませんから、慎重に使っていました。
でも、私は今回この「奇跡」にすがっていました。

ちなみに、その生徒が狙っていたのは、進学校です。
システムの説明のところで話していますが、進学校の多くは、「学力重視枠」を設定しており、この学校も例に漏れずその枠を2割使っていました。
だからいける、私は志望校決定の際、そう思いました。これが甘かった、と言われれば、それは私の責任ですね。

結局、その2割に割り込むことができませんでした。
「進学校を受験するような生徒の集まりだから、周りもみんな目の色が変わっている」。ここが一番大きかったのだろうと思います。この生徒も目の色を変えてがんばっていましたが、ほかの生徒も当然目の色を変えてがんばるわけです。
どのくらい後ろからごぼう抜きしようとしていたのかまではもちろんわかりませんが、学力重視枠とはいえ内申点を考慮しないわけではないので、差を詰めきれなかったのだと思います。

④の位置にいて、志望校に合格できた生徒は、この生徒と同じように一生懸命勉強しました。
ここは職業科。勉強を一生懸命やるよりは、資格や面接で勝負する受験生の多い学校。結果、ついていた差を一気に詰めて、まくりきったのだと、そう考えています。

進学校こそ「内申点」勝負

「内申点のマイナス分は実力でカバーする」
この考え方は、多くが甘い罠であると考えてよいです。
とくに、国公立大学に何人合格した、と話ができる進学校では、そう簡単に逆転が起こるとは考えないでください。

もしお子さんに公立高校、とりわけ進学校に進んでほしいと願うのであれば
進学校こそ「内申点」が勝負の分かれ目ということを肝に銘じてください。

学校の成績と模試の成績、どちらが大事ですかと言われたら、私からは確実に学校の成績ですよ!と伝えます。
ですから、学校の授業・テストを大切にするようにご自身がお話になるか、通っている塾の先生に、お子さんに向けて大切にするように伝えてくれ、と相談するか。そのどちらも行うかをしてあげてください。

実力テスト・習熟度テストは、2年生まではそこまで重要視しなくていいです。

「腹を決める」ことができるか

中学3年生のお子さんをお持ちの保護者の方が不安になってきたと思います。
そう、中学2年分の内申点は決まってしまいました。
中3の成績で内申点を挽回することはまだ可能です。ただし、中3前期まで決まってしまうと、爆発的に変化させるのは苦しくなります。

ですから、新しく中学3年生になる生徒および保護者の方は
・夏休みまでは、「学校の成績」一択!
・夏休みから、徐々に学習時間を増やし、冬以降の勉強に備える
・志望校を決めたら同時に「腹も決める」
これを推し進めてください。

腹を決めるのは、本人よりも保護者の方です。
保護者の方が考えるのは、絶対に公立高校なのか、私立に行くこともいとわないのかです。これは、安全策を取るのかチャレンジするのかに関わってきます。

いろいろな理由で絶対に公立高校だというのであれば、志望校を下げる説得をしなければなりませんし、私立に行くこともOKなのであれば、その旨を伝えて学校・塾も巻き込んで全面バックアップのもと勉強させなければなりません。

前述の生徒は、チャレンジするとみんなで決めて、進めていきました。生徒にも保護者にもダメージが少なかったのは、そういうこともあります。

今回は、あまり話したくない私の失敗談でしたが、これをみて、ぜひ「悔いのない」受験校設定をしてもらえればと思います。

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