広島県の公立入試は特殊性が強いけれども…

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先日、教材会社の方とお話をする機会がありまして、冬休みから入試直前までの対策勉強の方法や、それに対するオススメの教材。
またセミナーや勉強会といった行事の案内など、15分程度いろいろなお話を聞かせてもらいました

広島県用の対策教材は作りにくい。

教材会社の方がしきりに言われることは
「広島県用の対策教材は、毎年似てないと言われる」
ということでした。

さまざまな県の過去問や、オリジナルの問題を作っても、その年の入試傾向からズレて、結果「傾向にあっていなかった」と言われてしまうのだと。
半分は愚痴、半分は戒めとしてお話されていました。「おかしすぎなんですよね…入試問題」と最後にボソリ。

いかに広島県の入試問題が他県と「ズレて」いるかがわかるエピソードだと思います。

特殊な入試こそ対策は王道路線

ほかに考えたことは、塾の先生方は、そんなに『入試の形に即した問題がほしい』んだなぁということです。
本当は、見た目をどんなに入試に似せても中身が合わないと解く意味はないですよね。
広島県の問題が「記述問題多め」ということはわかってはいますが、じゃあ記述問題ばかりを練習すればよいかといえば、それはまた違う。
本質がつかめていないですからね。

同様に、特殊な入試に対応するために、特殊な入試形態の問題ばかりを解くべきなのかと言われると、それは胸を張ってNOです。

数学の問題には、特殊な入試形態以上に「数学らしい小問」が数多く存在します。
理科社会の問題は、記述問題の量以上に「資料を読み解く」ことが重要なテーマです。
英語国語の問題は、作文問題の内容より「どう考えているか」をまとめなければなりません。

こういう問題は、特別な訓練よりもこれまでと同様の勉強方法、すなわち王道路線で力を上げていくことだと考えています。
だから、特殊な入試の対策をもしするのであれば、今ではなくもっともっとあと。この考え方をもとに、私は入試対策の教材を作っています。

問題選定の選り好みを「してはいけない」理由

教材を作る上で気をつけていることは、問題選定で「内容による選り好み」をしないことです。

習っていない単元であったり、あまりにも簡単・難しい問題はカットする場合もありますが、どんな内容の問題であっても、残して解いてもらっています。

これは、「問題の質」にあります。

入試対策の問題集は、教材会社の精鋭が集められて細かく分析され、解いて「力になりそうな問題」を集めて、編集されます。通常は先にページ数を決めるので、効率的に力がつけられるように、似たような問題は極力排除されます。
排除する基準の一つは、「良問かどうか」。構成としてよく練られていて、効果がより上がりそうな問題をセレクトします。

でも、現実は違う。

入試は良問ばかりではありません。「なんだか解きにくい流れになっているな」というような、「悪問」だって存在するんです。
だから私は、良問であろうと悪問であろうと、並べて問題を解いてもらっています。

広島県の入試問題の特殊性については、よく言われることです。
一方で、「特殊性の意識」が高すぎると、そもそもの土台をおろそかにしてしまう恐れが大いにあります。
見た目は大幅に変わっても、現時点で問われている能力がすべて変わったわけではありません。変わった部分も、これまでの王道路線の上に乗っかるものです。

王道の力を身につけること。
特殊な活用型問題に意識が向きすぎていると感じたら、ちょっと立ち止まって足元を見てみては?

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