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入試は先行逃げ切り
私は中学受験・高校受験・大学受験と、いろいろなカテゴリーの受験の指導に携わっていますが、生徒たちを眺めていると受験の大鉄則が見えてきます。
それは、入試は先行逃げ切りが大鉄則であるということです。
これは勉強はやればやるほど「勉強体力」がついてくるからです。
勉強始めたてのころは1時間も机につけなかったのに、歯を食いしばって机につき続けていたら3ヵ月もしたら2時間余裕で勉強できるようになった。
計算問題が10問で30分かかっていたのが、ひたすら続けることで3ヵ月後に30問が15分でできるようになった。
そんな話はいたるところでうようよとわいてきます。
どんどん「継続して長時間勉強できる」「解ける問題が増加する」という成果が
目に見えて現れるのです。
昔の教え子の話。
その子が通っていた学校では、定期テスト前になると数学の問題プリントをくれていました。「テストはここから出すぞー」と。
その子はテストのたびに「問題が30題あるから、出やすい問題を絞ってくれ教えてくれ」と、私のところにプリントを持ってきます。私はその30題から厳選して8題まで絞ります。教え子は、その8題を必死に解きます。8題を2回解いて、テストに臨んで、そこそこの成績を取ってくる。
そんなことを2年間続けました。
2年後。高2の冬。いつもと同じように数学問題プリントをやる。問題は35題。普段より多い。
いつものように「出そうな問題に印をしてくれと」私のところへプリントを持ってきます。私がいつもと同じように8題まで絞ります。
でも、そこからがいつもと違いました。
教え子は、8題を2回解いた後、35題すべてを解きなおして、テストに臨んでいました。
2年間の問題演習によって、8題がやっとのペースが、35題が解けるペースにまで成長したんです。しかも、高2の冬、数学が最も難しくなるタイミングで。
そう。勉強すればするほど「勉強体力」がつくんです。
早い段階で体力がついている人たちは、後半ばてて落ちてくることは、ありません。断言してもいいです。
勉強が継続してできるようになれば、単純な話成績は上がっていきます。これが受験に限らず勝負事の王道。だから、今が勝負なんですね。
残り数ヵ月の段階で猛烈な勢いで追い抜くという、『幻想』を与えるような本や塾って結構あります。偏差値40からの東大受験、とか、最下位だった生徒が大逆転で国立医学部に合格した、とか。
もちろんすべて嘘だとは言わないですけど、ほぼありえない話だと思っていいです。
だって……これを言わないと秋から生徒が集められないでしょ。
正直言って、予備校や塾の典型的なうたい文句です。耳障りがいいでしょ、大逆転って。でも、大逆転ってほとんど起こらないから、ニュースになるんです。注目されるんです。
ということは、追い込み「だけ」に賭ける、という戦法は、どう考えても間違いなわけです。
今年度、来年度の入試を突破したいあなた。いまから勉強を始めるあなたに何か授けるとすれば、気づいたのなら、先行策が使えるように勉強しときなということです。
中3生にとっては、今からでは「先行逃げ切り」とはいかないですが、気づかないよりはまし。
でも、あなたが中1・中2生なら、内容は、あまり考えず、今がんばってこなしている学校の課題や塾の課題をきっちり仕上げる。あなたはこれが、受験勉強の始まりです
これはやっていて効果があるかな?無意味なのかな?っていうのは正直やってみないとわかりません。
実際、私が教えた生徒の中には、高校の勉強では「絶対やってはいけない」とされている、『一夜漬けでテストを乗り切る』方法がぴったり合っていたという子もいます。
どんな方法もやってみてから文句を言おう
ってことなんですよ。つまり。
だから、何も思いつかないなら、とりあえず教科書の問題をがんばってやるべきですよ。