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選抜Ⅰは昔のような単なる作文・文章を読み取っての小論文の出題は減り、最近のはやりは資料読み取りです。
資料は複数用意されていることが多いので、手早く、うまく読み取らなければただ時間だけが過ぎていくことになりかねません。

今回は、資料読み取りを訓練する方法についてレクチャーします

資料を読み取るための着眼点

資料読み取りの着目点は、

  • 時系列の(時間とともに変化する)資料なら、古い年代と新しい年代で大きく変わったことに注目
  • 項目別の資料なら、割合の1番大きなものと2番目に大きなものに注目
  • 注目したものが同じ種類のものか違う種類のものかをチェック
  • 項目の数値における単位をチェック

こういったところです。
一般的に資料は、目の前の相手を説得するために使うものです。それゆえ、見た目に何かが「変わっている」という資料を用意するのが通常です。

例えば、「林業従事者」の時系列グラフが登場したとします。
1950年から2015年までの林業に携わっている人を表すグラフを見て、古い年代は従事者が多いが、最近は従事者が減っている、と読み取れたなら、だから林業ピンチ!何か対策を!と考えが進みます。

このとき、グラフのめもりが「実数」なのか「割合」なのか。
例えば資料を2つ見せられて、1つが「実数」で1つが「割合」だったとすると、これを横並びにして考えを巡らせると痛い目にあいます。

また、単位が「人」なのか「千人」なのか。これを気をつけなければ、本当に人数が少ないのかを見誤ってしまいます。

例えば、日本人の年収割合の円グラフが登場したとしたら。
人数の割合が1番大きいのが年収200~300万円で、その次に多いのが年収700~800万円だ、と読み取れたら、貧富の差が激しい!何か対策を!と考えが進みます。

例えば資料を読み取ったとき、あなたがすでにもっている知識と同じであれば、作文を書くのは簡単でしょうし、もし知っていることとは違う結論に至りそうなら、知識が間違っているかもしれないし、まだまだ知識量が少ないと判断しなければならないかもしれません。

これは、練習してみないとわからないことです。
いくらいい文章が書けるようになった、自分の考えが作れるようになったとしても、図やグラフでの把握を誤ると、トンチンカンな答えになります。

資料読み取りと文章力アップ、どちらもこなせれば、「選抜Ⅰは出たとこ勝負」でないきちんとした勝負になるでしょう

選抜Ⅰの対策がそのまま選抜Ⅱの対策になる理由

資料を読み取って答える問題は、現在文系3教科(国語・英語・社会)に採用されています。
社会はもともとそういう教科ですが、国語は資料を基に作文を書かせる問題(しかも10点問題)として使われ、英語は長文の中の1つの資料で単位変換のひっかけ問題を入れてきました。今後、理科にも採用される可能性が十分に残されています(数学は現状そういう教科ではない)。

つまり、 資料を読み取る練習として、選抜Ⅰの対策が使えるということなんです。

どうしても、選抜Ⅱの練習のときは教科の内容に寄せてしまいます。純粋な資料読み取り問題の訓練をする機会は、なかなか訪れないのが現状です。
でも、選抜Ⅰを受験するために勉強するのであれば、資料の読み取り練習は必須。力をつけることが可能です。

資料読み取りの対策に格好のネタ

資料読み取りの練習をする際には

  • 各学校の選抜Ⅰ過去問
  • 広島中、福山中、市立中等教育学校の過去問
  • 昔の広島高校の適性検査問題

これを使ってみてください。
自分の受験する学校以外のものを積極的に解きましょう。同じ問題が出るかもしれません。出ないとしても、資料読み取りの練習、作文の練習には十分なります。

中学受験?と思われるかもしれませんが侮るなかれ。むしろ、高校入試よりも解きにくい難しい問題が並んでいます。
昔、広島高校は3教科のテストにプラスして適性検査問題を出題していた時期があります。その問題は対策として使うことは可能です。

選抜Ⅰも立派な試験。
受験するあなたは、「ここで合格するのだ」という気持ちをもって、練習をしっかりしましょう。それがそのまま、選抜Ⅱの対策にもなりますから。

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