令和2年度・広島県公立入試国語第1問から探る対策

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広島県の公立入試を大問ごとに分析してみた

広島県の公立入試は「特殊」と言われます。
どのくらい特殊なのか、せっかくなので令和2年度(2020年度)を大問1つずつ分析してみました。
過去問の解き直しなどにぜひ。

なお、入試の問題文そのものをブログに載せることは、著作権上できないようなので、問題は下のリンクでご覧いただくか、市販の過去問集などでご確認ください。

関連リンク
令和2年度広島県公立高等学校選抜II学力検査のページ

物語の概要

出典は、横光利一「笑われた子」です。

まず、この物語に登場人物はどのくらいいるのか。ここから紐解きます。

読む限り、主人公「吉」、父、母、兄、ませた姉。これが家族のようです。
2段落目に、口が耳まで裂けた大きな顔。3段落目に夢の中の出来事であることがわかります(登場人物に入れるべきかはさておき)。
3段落目には教師が出てきます。この文章からは、教師が複数人なのか1人なのかはわかりません。

その後は、新しい登場人物らしきものは出てきません。それぞれの関係性をなんとなくつかめていればOKかと思います。

漢字は確実に解きたい。2問目から読み取りに苦労

漢字は3問で、正直どれも小学生レベルで難しくありません。書けなかったときには大きなマイナスですね。

2問目は、2段落に、現れた「口が耳まで裂けた大きな顔」から逃げようとしたが、汗が流れるばかりで動いていない、とあります。さらに、3段落目の最初に、「逃げようともがいたときの汗を、まだかいていた」とあります。
ここから、大きな顔に遭遇して怖かった、ということがわかります。

また、壁を見つめたり、窓ばかり見つめていたこと、また、習字の字が全部高麗狗(こまいぬ)に見えるというところから、この顔が忘れられないことが読み取れます。傍線部1の行動は、この高麗狗になんとか似せようと骨を折ったということが考えられ、これに合った解答を入れればいいですね。

3問目は1歩深く読まないと解答にたどり着かない

3問目は少しくせがある問題です。
4段落目に書いてある「吉」の行動は、剃刀(かみそり)を取り出し、研ぎ、丸太を取り外して長方形のものにして、鉛筆と剃刀をもって屋根裏へ行く、です。
5段落目の最初に、まだ剃刀を研いでは屋根裏へ通い続けたとあるので、「吉」は毎日屋根裏へ行ったことがわかります。

何をしていたかは、5段落目の後半に出てきます。姉の「仮面が作えて(こしらえて)あるわ」という発言から、吉が仮面を作っていたことがわかり、解答となります。

最初と最後にヒントがある4問目

4問目は、母親の描写についてです。
母親については、1段落目と、5段落目の最後に登場したところから読み取ります。
母は、1段落目で「吉」を大阪に出したい父に対して、「大阪は水が悪い。お金を儲けても死んだらなにもならん」と反対の立場をとります。また、兄と姉が好き勝手に「吉」の将来について話しているのを、黙ってみています。
5段落目に、父の「下駄屋にさせたい」という提案に対し、今まで心配そうにしていた母が「体が弱いから遠くへやりたくない」という発言をします。
この2か所をもとに、簡単にいうと母は「心配性である」という結論に達します。

この問題は、形式の指定があるので、それに沿って書く必要があります。

広島の特徴は5問目の会話形式にある

会話文形式の5問目は、選択問題と記述問題です。
選択問題については、下駄屋にするという父の決断を受け入れざるを得ないという、吉の運命を仮面が笑っているように見えた、と読み取ります。
今のように、自由に職業を選択できるのとはちがって、この本が書かれた時代は父親の決断・発言権が絶大だった、という事情を知っていると有利に働くかもしれません。

最大の難問は記述問題。正答率が3%。部分点ありを含めても15%しかありません。実に85%の受験生が「0点」だった設問です。
笑われているように見えた仮面に腹を立てて、引きずりおろして仮面をたたき割りますが、たたき割った木を眺めると「いい下駄ができそう」と、満足そうな顔にもどります。これが、どのようなことの表れなのかを考える問題です。

たたき割った木を眺めて、下駄のことを考えてしまう。そしてそこから表情が和らぐところから、吉はもう完全に「下駄職人」として生きている、それが天職となっていることが読み取れるかと思います。

形式指定があって、「…ことで」という内容を当てはめないといけません。下駄職人として生きている理由は、25年前に父が下駄屋にさせると決めて、そこからずっと下駄屋として(貧乏になりながらも)働いているからです。ここをうまくまとめれば、点数になると思います。

テクニックより読む力

「先に設問を読んでから問題文を読む」や、「傍線部のまわりから解答を探す」というようなテクニックは、設問を見る限りあまり効果的ではないでしょう。
なぜなら、傍線のまわりだけに答えが潜んでいるわけではないから。4問目の母親問題は、1段落目と5段落目を読まないといけない問題ですから、初めにきちんと問題文全体を読んで考える必要があります。

テクニックを磨くより、きちんと読んで、きちんと分析して、きちんと答える練習を積み重ねることが大事かなと思います。

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