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選抜Ⅰで合格を勝ち取るための訓練

ようやく冬休みに入り、選抜Ⅰをゲットした人にとっては入試まで残り約1か月という時期まで来ました。
緊張することもあるでしょう。

小論文と面接が入試科目の中心である選抜Ⅰ。対策につかみどころがないと嘆いているかもしれません。そこで私から1つ、選抜Ⅰの対策を「つかむ」ための方法を伝授します

資料読み取りの訓練を必ずする

ほんの5年ほど前まで、選抜Ⅰの小論文は文章主体の資料からの問題でした。
ある著名な方のエッセイや論文などが引用され、それに沿ったある主張について受験者の意見を述べさせるもの。
文章が読み取れたかよりも、きちんと主張を文にすることができたかを重視する問題であったため、学校での指導は「どのようにして形式ばった文章を書くか」に視点がありました。

一方、最近の出題は図やグラフ主体の資料からの問題がトレンド。
あるテーマに対して論文や新聞記事を引用し、さらに2~3個の図やグラフが添付されています。受験者は、図やグラフを読み取って設問に答え、その後意見を文章で表現、という流れで解いていきます。
きちんと主張を文にできるかはもちろん重要ですが、それと同等かそれ以上に資料が読み取れるかに重点が置かれます。

これは、書かなければならない文字数に影響が出ているようです。
もちろん長い文章を書かせる高校もありますが、基本的に文章は400字程度(原稿用紙1枚分)。以前は800字や1000字の高校があったことを考えると、かなり少ない文字数です。
さらに言えば、最近は段落構成を指定する高校が増えたため、「小論文の書き方」を知る必要がなくなりました。

小論文を指導・訓練する学校・学習塾は、かなりたくさんあります。ですから、書き方自体はそれらに頼って身につけるよう努力すればよいです。

しかし、資料の読み取りについてやり方を教えてくれるところは、意外と多くありません。一番大きい理由は小論文指導のスペシャリストは国語の先生が多いことにあるかもしれません。

5教科の指導が「別々」に行われている現状のシステムにおいて、資料の読み取りにもっとも親しみがある教科は、社会です。
でも、社会の先生が小論文指導にどっぷりと入り込んでいるという話を、少なくとも私は聞いたことがありません。学習塾では、国語の先生が社会も担当、なんてことはざらにありますが。

ですから、誰に頼るわけでもなく、自分の力で資料を読み取る訓練はしたほうがよいです。

資料読み取りの訓練方法やポイントなどは、以前にもほぼ同じ話をしていますが、ここでも確認の意味を込めてもう一度。

  • 時系列の資料なら、古い年代と新しい年代で大きく変わったことに注目
  • 項目別の資料なら、割合の1番大きなものと2番目に大きなものに注目
  • 注目したものが同じ種類のものか違う種類のものかをチェック

こういったところです

一般的に資料は、目の前の相手を説得するために使うものです。それゆえ、見た目に何かが「変わっている」という資料を用意するのが通常です。何にも変化がない資料では、相手を説得する上で弱い資料になってしまいます。

例えば、林業従事者のグラフが登場した。
古い年代は従事者が多いが、最近は従事者が減っている、と読み取れたなら、だから林業ピンチ!何か対策を!と考えが進みます

例えば、日本人の年収割合の円グラフが登場したとしたら、人数の割合が1番大きいのが年収200~300万円で、その次に多いのが年収700~800万円だ、と読み取れたら、貧富の差が激しい!何か対策を!と考えが進みます

どちらも簡単に話したので、もっと細かい議論が本当は必要になりますが、これは、練習するとしないとでは大きな差になります。
いくらいい文章が書けるようになった、自分の考えが作れるようになったとしても、図やグラフでの把握を誤ると、トンチンカンな答えになります。

資料読み取りと文章力アップ、どちらもこなせれば、「選抜Ⅰは出たとこ勝負」でないきちんとした勝負になるでしょう。ぜひ実践してください

最後に

「選抜Ⅰは受かればラッキー」「選抜Ⅰは小論文メインだから、あとに来る選抜Ⅱに悪影響が出る」
学校の先生や塾の先生などから、このようなことを言われるかもしれません。
とくに、選抜Ⅰで合格するかギリギリで、しかも学力がギリギリ届いてない生徒にはこのようなことを言う傾向にあります。

私も塾講師という立場なので、気持ちは分かるんです。
ここから入試の追い込み時期が来る。その時期に、小論文と面接の練習に時間を使われてしまうと入試に対応する学力がつけられないかもしれない。
もしも選抜Ⅰでダメだったとき、選抜Ⅱでの挽回が厳しくなるのは避けたい。
あの発言は、こういう発想から来るものです。
この気持ちは、知っておいてください。先生も、目の前の生徒のためを思って言っています。

でも選抜Ⅰも1つの入試。そんなこちらの勝手な理屈なんて無視してください。
悪影響だろうがラッキーだろうが、チャンスが広がるなら手に入れて受かるように努力するのが当然です。
だから、チャンスが少しでもあるなら、胸を張ってチャレンジしましょう。

それが、志望校に向けて努力するあなたの「本気」なのですから。

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