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理科の問題を掘り下げると…
広島県の公立入試は「特殊」と言われます。
どのくらい特殊なのか、せっかくなので令和2年度(2020年度)を大問1つずつ分析してみました。過去問の解き直しなどにぜひ。
今回は広島県の公立入試・理科第1問です。
なお、入試の問題文そのものをブログに載せることは、著作権上できないようなので、問題は下のリンクでご覧いただくか、市販の過去問集などでご確認ください。
関連リンク
令和2年度広島県公立高等学校選抜II学力検査のページ
第2問の概要
第1問は、地層の問題です。あるがけの地層のようすが図になっていて、これをもとに解きます。
正答率が全体的に高く、よく解答できていた大問でしたね。
「逆暗記」説明問題の1つ目
1つ目は、粒の多くが丸みを帯びている理由を説明する問題です。
これについては、「れき岩」の作られ方がきちんと理解できていればなんら難しい問題ではありません。逆暗記型問題と言えそうです。
「なぜですか」の理由には「~(だ)から」と答えるようにしよう、くらいですかね、注意どころは。
正答率も約7割。よく解けてる。
砂岩を選択するひっかけ2つ目
2つ目は、砂岩を選び出す選択問題。県教委のホームページからダウンロードした用紙の写真が不鮮明で、ちょっと解きにくかったです。本番は、もう少し鮮明なものが採用されていると思います。
先ほどのれき岩と、砂岩、泥岩は、「堆積岩」と呼ばれる岩の種類。この3つの違いは、粒の大きさです。この理解がきちんとされていれば、悩むことはないと思います。
ちなみに、選択肢には花こう岩と安山岩が入っています。これらは、火成岩のため、角がとがっているはずなので、これがポイントです。
正答率約6割。粒の大きさにやられていると思われます。もう少し高そうでしたけどね。
結果の実証をする3つ目
3つ目は、予想を立ててそれを実証する実験の結果を説明する問題。
これも、逆暗記型問題の一つで、よく出ます。石灰岩=石灰石というイメージと、気体の発生方法の暗記ができていれば簡単です。
65%の正答率は、結構高いと思います。それだけ簡単だったのでしょう。
考えられる理由を2つ選ぶ4つ目
4つ目は、断層が最後に生じたと考えられる理由を選択する問題です。
2つ選ぶ問題は、「4択問題」が「6択問題」になるので、その分正答率が下がります。実際正答率は44%なので、ヤマカンではあたりませんね。
「断層が最後に生じた」ということは、断層の右と左を比較するとわかります。
右の層と左の層が同時に生成されているはずなので、すべての層の幅(高さ)は同じはず。順番も同じはず。これが理解できればOKです。
会話文から導く5つ目の問題
5つ目は、考察問題。第1問と同じく、最後にもってくる広島県の特徴の一つ。新たな疑問を解決するやり取りを、先生と生徒が行っています。設問が2つあります。
「かぎ層」にあたる地層がどれかを選択し、その理由も書く1つ目の設問は、『降り積もる』という言葉がキーになりそうです。このなかで降り積もるものは…。
がけの図を見て不思議に思うことを解決する2つ目の設問は、再び『堆積岩』の特徴を利用します。れき岩と泥岩の粒の大きさの違い、底に沈む速さの違い、河口から近いところと遠いところの沈む粒の違いの3つが理解できて解答できる問題。
正答率はおおむね6割前後なので、この単元はよく理解できているということでしょう。
逆暗記型問題が多いかな
ストレートに用語を聞いてくる問題はありませんが、「丸みを帯びた理由」「石灰岩に塩酸をかけると?」「かぎ層とは?」みたいに、逆の暗記をこなせた分だけ、問題が解けるようになりそうです。一問一答の問題を、反対にして解いてみることが、解答への近道でしょう。
全体的に正答率が高かったので、この単元が弱い受験生が苦しい立場に立たされそうな問題群でした。