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理科の問題を掘り下げると…パート3
広島県の公立入試は「特殊」と言われます。
どのくらい特殊なのか、せっかくなので令和2年度(2020年度)を大問1つずつ分析してみました。過去問の解き直しなどにぜひ。
今回は広島県の公立入試・理科第3問です。
なお、入試の問題文そのものをブログに載せることは、著作権上できないようなので、問題は下のリンクでご覧いただくか、市販の過去問集などでご確認ください。
関連リンク
令和2年度広島県公立高等学校選抜II学力検査のページ
第3問の概要
第3問は、ある動物についてのスケッチとノートをみて、どんな種類の動物なのかを考える問題です。
会話文がかなり誘導してくれているので、迷いが少ない問題ですね。
アサリの取捨1つ目
1つ目は、軟体動物の特徴と生物名を選択する問題です。完全解答のため、正答率が約7割と思いのほか低めに出ています。
これは、「アサリ」の存在が大きいかもしれません。大半の人にとってはなんてことない問題ですが、「アサリ…殻がある…」と考えてしまうと、選択できない可能性があります。まぁ、入試のときは何が起こるかわからないので、一瞬の迷いが不正解につながることもままあります。
逆暗記が意味を成す2つ目
2つ目は、まとめをもとに「スケッチした生物がハチュウ類ではない」理由を書く問題です。正答率約半分。一方通行の暗記では処理しきれなかった問題でしょうか。意外と差がつきましたね。
ハチュウ類ってどんな仲間だっけ?が複数個思いつけば、何の問題もないです。だから、逆暗記が意味を成しそう。
差がつきそうな3つ目
3つ目は、殻のない卵をうむ仲間を複数選択する問題です。
解答の個数が指定されていない問題は、たいてい正答率を下げますが、とはいってもこの問題の正答率45%は低すぎ。
「殻のない」を見落として選択したとしか思えない正答率ですね…これは。
殻なし卵をうむのは魚類と両生類(水の中・そばに卵をうむ)、殻あり卵をうむのはハチュウ類と鳥類(陸上に卵をうむ)、卵をうまないのはホニュウ類(胎児をうむ)ですよ。念のため。
進化をテーマに用語や現象の理解を問う4つ目
4つ目は、3設問に分かれています。テーマは進化です。
1設問目は、シソチョウの化石についてまとめた文章の空欄を選択する問題です。先ほどの逆暗記がここでも効いてきます。
ハチュウ類とは……鳥類とは……と、複数個の特徴を挙げて、それに一致する特徴をただ選択するのみです。極端に言えば。
この設問の正答率は約85%。3つ目の設問との差が謎です。
2設問目は、進化の証拠と考えられる器官についての説明の空欄を埋めます。7割方解けているので、難しい問題ではないですね。
相同器官とは何?がきちんと理解・暗記できていればなんてことない問題。ストレート暗記だけだと…最後の空欄で足元をすくわれるかも
3設問目は、サンゴの化石が見つかった場所の当時の環境について説明。これは、ただの「説明暗記」問題です。
説明暗記とは、説明問題でありながら、パターンにはめ込んで答えればOKの問題。これは定期テストでもよく採用されるタイプの問題で、練習量がそのまま解答に生かされます。部分正答を含めると約7割。ここを落とすのは痛いですね。
結局逆暗記。
結局、難易度はさほど高くなく、用語と説明・理屈がきちんと結びついている受験生がかなり有利になりそうな問題群。
ここでもやはり、推したいのは「逆暗記型問題」です。それぞれの用語が書けるのはもちろんのこと、その用語は何を表しているか、どういう意味か、そういったことがきちんと暗記できた人が勝利を収めるでしょうね。
ハチュウ類の特徴が4つ以上言えたら、この問題群は満点まで見えます。