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私は、広島生まれ広島育ち。「広島の公立高校を卒業」して「今も広島に住んでいる」大人です。
私が、自分の生徒に進路指導をする際、「自分が高校生だった頃の高校のイメージ」にとらわれすぎないことを気をつけています。
(自分の出た高校は、無条件で賞賛するクセはありますが)
昔と今はちがう理由
私が入試を受ける前の年までは、広島県の公立入試は今とは違う「総合選抜」と呼ばれるシステムをとっていました。
今のように、「○○高校を受験する」というシステムではなく、「●●高校が入っているグループを受験する」というシステム。ある意味では、志望校に進めるかは運の要素が含まれていました。
私が受験生になった年、システムが現行の「単独選抜」と呼ばれるシステムに変更。
さらに、2000年代中盤には学区制が廃止となり、県立高校であればどこでも好きなところに、無条件で受験することができるようになりました。
広島市立・福山市立および呉市立の高校は、市外の生徒が受験する際には「枠」がありますが、これも以前に比べてだいぶ大きくなりましたから、現在ではほとんどすべての高校を自由に受験できます。
この変更が何をもたらすかというと、公立高校であっても各校が独自色を出さなければ優秀な生徒(欲しい生徒)を確保することが難しくなった、ということです。
ですから、例えば広島市内であれば、観音高校が「総合学科」として出発したり
基町高校や舟入高校、国泰寺高校が普通科以外の科を設置したりしました。
また、「単独選抜」は、「総合選抜」に比べて不合格者が出やすいため、それまでは単なる受け皿に過ぎなかった私立の高校は、より大きな「チャンス」が生まれました。今までよりもレベルの高い生徒が入学するようになり、特色を打ち出しやすくなりました。
「総合選抜」時代のイメージとは、どの高校も違う特色・印象が生まれています。
私は、単独選抜一期生ですから、各高校のイメージは総合選抜時代の方々とほぼ同じ。この仕事を始めたときは、かなり苦労したものです。
A高校ってワルばっかりだったのに、今はすごくきちんとしている高校だな、とか
B高校ってスポーツの印象しかなかったけど、大学進学も力入っているんだな、とか
そんな印象はざらにあります。
保護者の方の面談するときにも、保護者の方から、「私たちの頃と中身が違って驚いています」という話をよく聞きます。
だから私は、意識して「昔のイメージを払しょくする」ため、先生とお話ししたり、説明会に顔を出したりと、さまざまな行動をしています。
通うのは、本人。
大学入試改革によって、保護者の方もいろいろ不安があろうかと思います。
しかし、高校に通うのは本人。ベタではありますが、本人のやる気ややりたいこと、通ってみたい高校を中心に、話をするのが王道だと私は感じます。
私は教育業界に生きる人間なので、主な切り口は成績です。
力はあるのに偏差値的に下の高校に行くのは、なんだかもったいないよな、と思ったり、今の偏差値ではこの高校に行くのは厳しいだろうにな、と思ったり。どうしてもそれは思ってしまいます。
保護者の方にも、行ってほしい高校があるでしょうが、それに反してお子さんが違う高校に行きたいと言う、というのはよくあることです。
私がそんなとき、「OK!がんばろう!」と背中を押す立場に回るかどうかの基準は、私の気持ちを超えていくほどの「強い思い」です。
そのような強い思いが感じられないときは、私の考えをすべて話した上で、引っかかるところを出してもらい、もう一度悩んでもらいます。
コミュニケーション
どの方面に行っても、後悔する部分はどうしても出てきます。
お子さんがA高校に行きたいと言う。保護者の方はB高校に行ってほしい。
こんなことはしょっちゅう起こります。
そんなときは、きちんと面と向かって、保護者の方の思いを話してほしいんです。聞いてもらえるかどうかはわかりません。それでも、話すべきです。
「でもうちの子は、やりたいことがなくて高校を決められないのですが」これもまた、あるある。
こちらの場合は、私は保護者の方が行く高校を決めちゃえばいいと思います。「行けそうな高校」ではなく、「行ってほしい高校」を提示してください。素直なうちは、お子さんはそれに従って行動します。
でも、反抗期を迎える時期ですから、別の高校を提示してくる時期がくるかもしれない。
そのときは、改めてお話をしてほしい。
要は、「私の親は、私のことをすごく気にしてくれている」という気持ちがお子さんに伝わることが、もっとも大切なことなのです。
まとめ
アプローチの方法には正解も間違いもないと思います。
世に出ている各方面の第一人者だって、自分で自分の道を決めた人もいれば、親が引いたレールの上をただ歩いてたどり着いた人もいる。
芸術の世界には、意外と親が引いたレールパターンが多かったりしますし、経営者さんたちは、親なんか無視して自分のやりたいことを突き進んだ人が多いです。
でも、どちらにしても、親が子どものことに「興味がある」のが、一番成功に近いんだと思うんです。
お子さんと、会話してみてくださいね。