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自己表現の評価方法の案が明らかに
1月6日の中国新聞の朝刊に、令和5年度から始まる公立高校新入試の続報記事が掲載されました。
今回は、この入試から新たに導入される「自己表現」についての記事です。
新たに導入される「自己表現」は、受験生自身の自己認識力・自分の人生を選択する力・表現力をみる入試です。公立高校を希望する生徒全員に課される、面接です。
代わりに、各中学校から提出される調査書(内申書)には、内申点のみの記載となり、スポーツ活動や資格試験、生徒会やボランティア活動などの活動報告は、この自己表現ですべてまかなわれることになります。
今回発表された実施案には、自己表現について以下のように書かれています。
- 1日目の試験後に約30分、「自己表現カード」を記入する時間を設ける。
- 2日目に、自己表現カードをもとに5分程度のアピール、その後約5分で3問程度のやり取り。
自己表現カードは、事前に用意するのではなく、その場で書き、提出する形式です。制限時間まで発表になったのは初めてだと思います。カードの様式などはまだ確定していません。
同様に、自己実現の形式や時間も今回初めて発表になりました。2日目に実施、とあるので、現行と同じであれば、2日目の英語の後、全員と面接をすることになりそうです。
5分のアピール時間と、5分の質疑応答。今までの面接からしても、結構長い部類に入る面接ですね。
個人面接か集団面接かまでは発表になっていないようですが、内容の性質上、個人面接になる公算が高いです(5分間別の受験者がいる前で自分のアピールをさせるのは難しいような気がします)。
面接官は、3つの観点でそれぞれ5点ずつ、合計15点満点で評価します。面接官の人数は2~3人です。どちらの場合も、15点満点に変わりはありません。
これが、今回発表になった自己表現の実施案です。
1日目に自己実現カードの記入、2日目に面接。たぶん個人面接。
面接は、5分自己アピール、5分質疑応答。
面接官は2・3人。合計15点満点で判断。
各高校独自の選抜方法などは、令和4年3月をめどに公開。
新入試では、当日の入試と内申点、および自己表現の配点バランスを「6:2:2」とすることになっています。各高校は、入学定員の50%以上をこの方式で選抜することになっています。
裏を返すと、定員の50%までは、高校が独自に選抜する方式を考えることができます。
当日の入試の得点を重視したり、内申点を重視したり。英語の配点を上げたり、理科社会の配点を下げたりすることもできます。これを「特色枠」と言います。
ただ、これをギリギリになって言われても、対策のしようがありません。
ですので、広島県教委は、令和4年3月までに各高校に特色枠の選抜方法を決定・発表するように求めることになっています。
各高校は、ホームページに「実施内容シート」を載せます。令和4年3月に載せて、これを県教委がまとめて各中学校へ配布するという算段のようです。
受験生一人一人の手元にまで県教委の資料が届くかは現時点ではわかりません。何かしらの形で、早めに知らせるとは思いますが。
令和4年3月に、選抜方法などを発表。
公開方法は、各高校のホームページ。
県教委は、その情報をまとめて1つの冊子にして各中学校に配布。
今回の実施案で分かったこと。
あくまでも実施案なので、細かい修正や日程変更などはあり得ますが、大枠は変わらないでしょう。
試験日は2日間で確定。
自己表現カードを制限時間内に書かせるということは漏れ伝わってきていたので、「そうすると試験日は3日間?」と考えていましたが、どうやら今の選抜Ⅱと同じ2日間で落ち着きそうです。
そうなると、
1日目に「国語・社会・数学・カード記入」
2日目に「理科・英語・面接」
という時間割が濃厚です。
配点バランス「6:2:2」も確定。
これは初めに発表になったときから残っていることで、正式に採用されたものとして考えてよさそうです。
現行のシステムに比べ、内申点のウエイトがだいぶ軽くなっているはず。広島県教委が、いかに「自己表現」に期待をしているかの表れではないでしょうか。
あとは、この比率をいくつの高校が特色枠で覆してくるか。これも楽しみに見ておこうと思います。
これから情報を待つうえでわからないこと
まだまだ全貌が明らかになったわけではないので、疑問点(問題点、という意味ではなく、わからないこと、という意味)はいくつか残されています。
自己表現カードの書き方と面接での評価の疑問点
自己実現カードのひな型は、県教委のホームページで公開されています。これをきちんと書くことができるようになるには、練習が必要でしょうね。大学受験でも中学受験でも書くことがある『志望理由書』の拡大版ですから。
受験生にとって厳しい戦いだと考えられるのが、「これを30分で書き上げること」と、「これをもとに面接をさせられる」こと、それと「1日目に書くこと」です。
30分では書きあがる量ではなさそうなので、当然準備して行く必要があります。準備にどのくらい使いましょうかね。準備をガッチリしていったところで、当日何割くらいぶつけられますかね。これは、その場に立ってみないとわからないです。自分自身もあまり自信がないです。
1日目に書くということは、これを頭に置いた状態で3教科の入試を受ける可能性が高い。入試どころじゃない受験生はたくさんいそうですね。
当日の試験の準備をしつつ自己表現カードで書くことの訓練もする。入試勉強しながら小論文の勉強もしているような感じで、ハードな入試に見えます。
これをもとに面接をする、という面について。うまく書けて、面接でもハキハキ話せたら、まぁ15点に近い評価を受けると思うのです。では、「うまく書けたけどうまくは話せない」と、「うまくは書けなかったけどうまく話せた」は、どちらのほうに上位評価を出すのか。
人前での「表現」重視なのか、とにかく「表現」できる媒体があればよいのか。面接の得点は評価がめちゃくちゃ難しそうですね。
面接も結構ハード。これソラでやるのかな?
それでいて、面接官の前で約5分間の自己アピール。面接官にツッコまれることなく自分の意見を5分間言い続けるのって、かなりの訓練が必要です。
一応、たどたどしさや、話が詰まった、言い間違えてしまったというようなミスは、大目に見てあげてくれとのお達しは出ているでしょう。極限状態で言い間違えるくらい水に流してやってよ、と思います。
カンペはもっていくのOKなのでしょうか?自己表現カードをもとに、とありますが、この段階ではこのカードは高校側にあるはずなので、何も見ずに5分間しゃべりつづけないといけないのでしょうね。
これまでの選抜Ⅰの対策と選抜Ⅱの対策を、どちらも同時に、受験生全員に行わないといけないですね。塾業界が活性化するか。
実際に試験はいつ行われるか。
実はまだ、これが明記されていないです。現行の選抜Ⅰと選抜Ⅱがなくなることだけは確定していますが、新しい入試は何月なのか。これは発表になっていません。
有力なのは、現在の選抜Ⅱの日程をそのまま利用することです。県東部の私立入試・県西部の私立入試・公立高校入試の順で、なにも変更することがないので簡単です。
ただ、今回の新入試のそもそもの目的が「入試準備期間の短縮」にあることを考えると、期間についてなにも変わっていないことが難点。
そこで、新たに2月下旬に持ってきて、期間を短くすることが考えられます。
私は、選抜Ⅱの日程をそのままにして、一次選抜⇒二次選抜の間隔を今と同じにする方式を採用すると考えています。
県東部の入試は、そもそも早すぎという考え方もあるので、そこは考慮せずに日程を組むのだろうと予想しています。
これも、来年になればわかることなので、情報を気長に待つことにします。