令和3年度広島県高校入試簡易分析・国語

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今日の記事は、令和3年度広島県公立入試・国語の問題について、一度さっと解いてみての印象と分析について書いたものです。
入試後の手ごたえチェック、令和4年度以降の入試の参考にしてみてください。

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分野・配点と簡単な所見

大問別の分野・配点は以下の通りです。

大問1:物語文(15点)戸川幸夫「爪王」

ここ数年、戦前の小説家を採用してきた小説ですが、今回の問題は戸川幸夫。この方は、戦後高度成長期に活躍した小説家さんです。
戦後とはいっても、昭和の中期に書かれた作品であり、しっかりとした読み応えのある文章を書かれるので、入試で読むには重いですね。

「鷹匠」という特殊な仕事をテーマとした内容ですが、時代背景を読み取らなくてよいところは読みやすかったかもしれません。
最終設問の資料にイラストが1枚あり、面食らったかもしれませんが、これ自体は大した意味はありません。設問内容も例年通り。昨年並みの難易度といったところでしょうか。
(鈴木さんと西川さんは、カープの1番と63番だよね…たぶん)

大問2:説明文(15点)藤野栄介「指揮者の知恵」

昨年に引き続いて芸術系、今年は音楽についての説明文です。作者の藤野栄介さんは有名なオーケストラ指揮者の方。この本も有名だそうです。
音楽用語は注釈が入っていますし、文章自体に難しさは感じられません。ただ、設問が重たい。最終設問の2つの小問は、直接問題文に書いてある内容ではなく、そこから読み取ったり、資料もあわせて読んだりと、とにかく解きにくいです。
説明文は昨年よりも難易度が高い、と考えられます。

大問3:古文(10点)「独ごと」

江戸時代の随筆・俳諧集です。柳と桜が、いかに趣があるかについて書かれた文章を読みます。
ここも最終設問が悩ましいですが、それよりも最初の設問、『平仮名の部分』を読み飛ばして、「おおい」と解答して不正解となるケースが出てきそうで怖いです。サービス問題なのに…。ここは、正答率を注目してみておきます。
昨年よりも少し解きにくいかな。

大問4:作文(10点)避難訓練で「やさしい日本語」を使うことを呼びかける

避難訓練で、「やさしい日本語」を受付・誘導係をする際に使用することを呼びかける内容の250字以内作文を書きます。
作文は具体例を含めて、内容に合わせて段落を変えます。つまり、段落を変えることも採点基準の1つになります。
題名をつける昨年の内容に比べて、難しくなった印象です。
(登場する森下さんと松山さんも、18番と55番の気がするなぁ…)

漢字の問題が読み書き合わせてまた5問にもどりました。
小説以外の問題が難しくなった印象です。何か解きにくい。
昨年よりも難化、平均点はやや下がると踏んでいます。21点くらいですかね。

国語は、勉強をはじめてすぐに得点アップが期待できる教科ではないので
もしかしたら大した対策をとっていなかった受験生が多いかもしれません。
そのような受験生が失敗する可能性、ズバリ「時間配分」です。

この形式の入試になってから、すべてのカギは最後の作文です。
作文に、実に10点の配点が割り振られます。国語の配点の2割を占め、全教科の中でも最高配点です。
この問題を0点にすると、どんなにがんばっても国語では40点以上取れません。
とくに難関高校狙いの人は、40点は「足を引っぱる」可能性があります。

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来年度以降に向けての勉強

となると、国語の入試対策勉強で大事になるのは、
どれだけ速く読むことができるかどれだけテーマに沿った知識を持っているか、あとは作文力
この3つになります。

お分かりと思いますが
どれも、今日勉強を始めて、1か月後にできるようになっているようなタイプの力ではありません。
このレポートを目にした人は、今この瞬間から始めてください。 ・毎日1本入試問題を解いてみること ・毎日の日記に力を入れて書いてみること

この2つだけ、始めてみてください。
他教科と違って、国語は1年生でも2年生でも、入試問題を解きはじめることができます。
ぜひ、チャレンジしてください!

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