広島県新入試のオンライン説明会
3月19日の午前10時から、広島県教育委員会主催のWEB説明会が行われました。
アーカイブも残っているので、興味のある方はこちらから
説明会の概要まとめ
ここからは、説明会の要旨と、それに関する私の考察を述べていきます。
黒字で書かれているのが要旨、「→」で示されたところが私の考察です。
あくまでも私が今考えていることなので、その点を勘案してご覧ください。
まとめ
高校入試制度改革の目的は、
公開されている「広島県の15歳の生徒に身に付けておいてもらいたい力」の達成度合いを見るもの。
→主に「自己表現」のことを指しているものとみられる。
入試の準備期間の短縮も目的の一つ。
現行のシステムだと、選抜Ⅰ(2月上旬)から選抜Ⅲ(3月下旬)まで、入試に関わる期間が長いという問題点があったので、それを解消するため、一次選抜と二次選抜の2回に短縮。
一次選抜は2月下旬の実施を目指して最終調整中。
→2023年のカレンダーに照らし合わせると、最有力は2月27日(月)、28日(火)
調査書における、中学校から送られる内容が成績のみ。欠席状況や性別など書く欄がない。
内申点の割合が、1年:2年:3年=1:1:3になる。3年生からがんばる生徒への配慮。
→このあたりは公表通り。
一次選抜には、特色枠と一般枠を設ける。高校側は、アドミッションポリシー(求める生徒像)と選抜方式・教科等を事前に公表し、生徒が主体的に高校選びができるよう配慮。
→現実的には、今まで通りの「偏差値」での切り分けになってしまう恐れはあるが……
特色枠を設定した理由は、現行の選抜Ⅰの方式も残しておいてほしいという(どこかからの)要望が少なからずあり、そこに配慮した結果と説明。
→これによって、入試システムがややこしいことになったのは否めないが、これは致し方なしか。
入試1日目の自己表現の時間は、様式に書き込む時間。メモ代わりで、次の日の面接時間に、試験監督の先生が「事前にこの生徒が何を表現するのか」を大まかにつかむために使うものと説明。
この用紙は評価対象にならず、あくまでも次の日の自己表現で評価。評価のための研修は新年度が始まってから行う。
→高校の先生の負担が大きい入試制度。初年度はそういうものなのかもしれないが…
タブレット持ち込み可。30秒までなら映像や音声、動画を使ってもよい。
いわゆる面接で評価対象になる態度や言葉遣いなどは評価対象にはならず、あくまでも「生徒が何を表現するか」で評価する。
→つまり、事前の準備がめちゃくちゃ必要な入試。
説明会を終えての感想
・とにかく「自分の言葉で」「自分を表現すること」「自分の気持ちを素直に出せばよい」という言葉をよく使われていた印象。
・「(ただ暗記をして話をするような)棒読みは減点」という教育長の発言と、「たどたどしさなどは評価に入れていない」という課長の発言から見て、まだ評価軸をうまくまとめられていないという危うさを感じる。
・「わからないことは全部県教育委員会に連絡してください」としきりにおっしゃっていたが、「電話でもメールでもフォームでもなんでも」というのは少し不親切、というか不便かなと。
連絡先など一本化するなどの工夫は必要だと感じる。
・入試対策のパターン化を避けたいという教育委員会の強い決意は感じられるが、自己表現の例で挙げていたものがすべて「だから私は将来~」につながっているのを聞いて、『将来の夢を語れば』というパターンにはまらないか、評価軸がもしかしたらそれ一本にならないかと危惧。
・「入室出来たら3点、普通に発表できたら4点、素晴らしい出来だったら5点」という発言より、実は自己表現ってほとんど差がつかないテストで、事実上1日目でほとんど結果は決まっちゃうんじゃないの?と思っている私。
できる生徒と、できない生徒でも、最大で6点(試験官3人の場合)しか差がつかない。下手すると、入試の1設問の差くらいしかつかないかも。
・昼食またぎ確定。
今からやっておきたいことがあるとしたら
生徒の皆さん向け
・「何か自分に強みはあるかなぁ」となんとなく考えつつ、何か思いついたらどんなささいなことでも記録に残しておくのがよい。
自分としては大したことないと思っていても、ほかの人が見たら「それすげぇよ」と言ってもらえることは、たくさんある。
・強みを考えるのに悩むようなら、「5分の1」の割合である自己表現よりも先に、「5分の3」にあたる入試対策と、「5分の1」にあたる内申点対策をするのがよい。
保護者の方向け
・理想は、お子さんの強みを一緒に考えてあげること、提案してあげること。
・ただ、なかなか簡単にはいかないので、例えば、お子さんが考えてきた強みを肯定してあげたり、少しだけやり取りして掘ってあげることはできるかも。
・学習塾で増えるであろう「自己表現対策」と銘打った対策講座が現れたら、むやみに飛びつかず、どういう内容で、どういうことをするのかを深く聞き出したほうがよい。なぜなら、自己表現という入試が日本全国誰も正解を知らないから。
まとめ
また動画を見返したり、資料を読むなどしてわかった内容は、逐一記事にしたいと思います。